高校を辞めたあの日
高校を辞めたあの日のことを、今でもよく覚えている。
不安と迷い。 「これで本当にいいの?」 「わたし、大丈夫かな?」
何度も何度も自分に問いかけた。 それでも、あのときのわたしは、ただ流されるのではなく、自分の意思で決めた。
「ここで終わりにしよう。わたしは、前に進むんだ。」
母の言葉と、最後のけじめ
高校を辞めると決めたとき、母が静かに言った。
「立つ鳥跡を濁さず。ちゃんと片付けてきなさい。」
わざわざ取りに行かなくても、誰かに頼めば済むことだった。 でも、それではきっと、何かが残ったままになってしまう気がした。
だから、自分で学校へ向かった。
不安の中で生まれた決意
久しぶりに足を踏み入れた学校は、何も変わっていなかった。 でも、もうそこにいる自分は、以前のわたしとは違っていた。
教室、廊下、ロッカー。 見慣れたはずの風景が、どこか遠いものに感じられた。
それでも、後悔はしなかった。
荷物を整理しながら、わたしは心の中で静かに誓った。
「絶対に頑張る。」
何をどう頑張るかは分からなかった。 でも、この選択を無駄にしないと、強く思った。
あのときの自分に、今なら言えること
今、わたしはもう大人になった。 あの頃より少しは強くなったし、前を向いて歩いている。
高校を辞めたことが正解だったのかは分からない。 でも、一つだけ確かなことがある。
あのとき、自分で決めたからこそ、今のわたしがいる。
不安でもいい、迷ってもいい。 大切なのは、自分の選択にちゃんと向き合うこと。
そして、信じること。
「未来のわたしが、過去のわたしに感謝できるように。」
だから、これからも自分の選んだ道を信じて、歩いていこう。