高齢の猫が認知症を発症すると、夜鳴きや徘徊などの行動が目立つようになります。飼い主としてどのように対応すればよいのか、不安を感じる方も多いでしょう。この記事では、認知症の猫の主な症状と、その対処法について解説します。
1. 認知症の猫に見られる主な症状
1. 夜鳴き
夜中に突然鳴き続けることが増えます。昼夜のリズムが崩れることで、夜間に活動的になることが原因の一つです。
2. 徘徊(同じ場所をぐるぐる回る)
部屋の中を歩き回ったり、隅でじっと動かなくなったりすることがあります。方向感覚が鈍くなっている場合もあります。
3. トイレの失敗
トイレの場所を忘れたり、間に合わなかったりすることが増えます。
4. 飼い主を認識しにくくなる
呼んでも反応しない、抱っこを嫌がるなどの変化が見られることがあります。
5. ぼんやりする時間が増える
何もないところを見つめ続けたり、反応が鈍くなったりすることがあります。
2. 認知症の猫への対策とケア
1. 夜鳴きの対策
- 生活リズムを整える
昼間に適度に遊ばせたり、光を取り入れたりして、昼夜の区別をつけやすくします。 - 環境を整える
落ち着いた音楽を流す、アロマ(猫に安全なもの)を活用するなど、リラックスできる環境を作ると効果的です。 - 安心できる寝床を用意する
狭めのベッドや布にくるまれるようなスペースを用意すると、落ち着きやすくなります。
2. 徘徊の対策
- 家具の配置を変えない
環境が変わると混乱しやすいので、できるだけ以前と同じ配置を維持します。 - ぶつかっても安全な工夫
角ばった家具にクッションをつける、壁沿いに緩衝材を置くなどして、ケガを防ぎます。
3. トイレの対策
- トイレの数を増やす
すぐに行ける場所にトイレを複数設置すると、失敗を防ぎやすくなります。 - 介護用ペットシーツやオムツの活用
失敗が増えてきたら、ペットシーツを敷く、猫用オムツを使うと安心です。
4. 飼い主を認識しにくくなった場合
- 声をかけるときは優しく
大きな声よりも、静かに名前を呼んで撫でることで安心させます。 - 無理に構いすぎない
猫が嫌がる場合は、距離を保ちつつ見守ることも大切です。
5. ぼんやりする時間が増えたとき
- 刺激を与える
猫が興味を持つおもちゃを見せたり、好きな匂い(カツオやまたたび)を活用したりして、適度な刺激を与えるとよいでしょう。 - 撫でる時間を増やす
穏やかに撫でることで、リラックスさせることができます。
3. 認知症の猫との暮らしで大切なこと
認知症の猫と暮らす上で最も大切なのは、「猫にとって安心できる環境を整え、ストレスを減らすこと」です。飼い主さん自身も無理をしすぎず、できる範囲でサポートしていきましょう。
認知症の猫との生活は大変なこともありますが、一緒に過ごす時間を大切にし、少しでも快適に過ごせるよう工夫してみてください。